読書の話
ボクは漫画が好きだ。
小学生の頃から漫画を読んでいる。
もちろん漫画ばかり読んでいるわけではないが、基本的には漫画が好きで、現在に至っている。
『漫画ばかり読んでいると馬鹿になるから本を読みなさい。』
とよく言われた。
ボクらの世代はそうだった。
今は違うのだろうか?
ただそう言われたから本も読むようになった。
これはこれで漫画とは違う味わいがあり、非常に面白いのでよく本も読んだ。
小説も漫画もドラマも映画もどれも好きである。
そのどれもが自分の人生を彩るものであるとボクは思う。
このいずれにも共通するものは…物語を楽しむということになると思う。
書かれた物語が面白いといつも感じていたので学生時代は国語の教科書は真っ先にすべて読んだ。
普通に面白いと思って読んだのだ。
小学校の頃に読んだ『くじら雲』『太郎こうろぎ』『ごんぎつね』『大造じいさんと雁』はとても楽しく読んだのを覚えている。
『走れ、メロス』に関しては中学に入る前に読んでいた。
太宰治は随分と刹那的な人なんだなあ…と思ったことがある。実際に読んだ『走れ、メロス』は太宰の作品のオムニバスになっていたようで、『走れ、メロス』は短くて簡単で最終的にはハッピーエンドなので気楽に読めたのだが、それ以外の小説は話そのものが暗くて何が言いたいのかよく分からないというのがボクの印象だった。
最後に掲載されていた『畜犬談』という太宰自身のエッセイは最高に面白かったのでこれに関しては大人になっても何度か読み返しては笑っている。青空文庫で無料で読めるのでぜひとも読んでもらいたい一作である。
さて…話が大きくなりすぎたので漫画の話に戻そうと思う。
ボクが特に好きな漫画はスポーツを題材にしている漫画である。
まあ…格闘系の漫画も嫌いではないがそもそも人が殴られたりするのをあまり見るのが好きでないということと、自分の子供への影響を考えると、暴力的なものは少しでも避けようかなと思うわけである。
やはり題材はどうしてもあきらめないことや努力の大事さをテーマにしているものが好きなのである。
スポーツと言ってもいろいろあるがやはりなじみがある野球漫画はどうしても外せない。
『キャプテン』や『ドカベン』、『県立海空高校野球部員山下たろーくん』など言い始めたらきりがない。
こういった漫画には作品それぞれに特徴がある。
『ドカベン』のように元から才能のある選手たちがさらなる強敵に勝っていく形の話と、『キャプテン』のように最初は全然へたくそだった主人公が努力と根性でうまくなっていく話である。
さらには最近では才能はあるものの、野球が好きではない主人公とか、自分の才能に気づかずにいる主人公がうまくなっていく話もある。
どれも野球好きにはたまらない。
この中でも特筆したいのが『県立海空高校野球部員山下たろーくん』である。
主人公の山下たろーくんは何の才能もない。
この山下たろーくんが努力してみんなで強くなっていく…というストーリーなのだが…
漫画だから努力が報われ、チームが強くなっていくというのは分かる。
それよりもボクがこの漫画が好きなのは、たとえ山下たろーくんはきっと報われなくてもあきらめずに野球を続けていただろうな…と思えるところである。
まさに…あきらめないという姿勢の模範でもある。
それに引き換え…ボク自身は、努力も人一倍しなければ、あきらめることも人一倍早い。一体何をやっているのだろう…と考えてしまうことがある。
もう少しあきらめずにがんばらないとなあ…とも思う。
ただ…やはりそれらの漫画の主人公たちは数ページで努力の成果が見られ、強敵に打ち勝つことができるわけだから現実とはずいぶんと違うわけなのである。
いわゆる…そこは所詮漫画なのである。
そう考えると現実でなんとか頑張っているボクもそれなりに努力はしているしあきらめずにがんばっているなあ…と思うこともある。
現実は厳しい。